料理漫画を読んでいて、こんなに「考えること」が楽しくなるとは思いませんでした。小林有吾さんの『フェルマーの料理』は、数学の道で挫折した北田岳が、天才シェフ・朝倉海との出会いをきっかけに料理の世界へ進む物語です。ナポリタンから始まる二人の出会いに引き込まれ、数学と料理がどう結びつくのか、続きが気になりました。
岳が料理と出会うまで
岳は数学者を目指していましたが、夢に届かない現実に直面します。目標を失い、学生食堂でアルバイトをしていた彼が、まかないとして作ったナポリタン。それをきっかけに料理界のカリスマ・海と出会い、思いがけない道が開けていきます。
最初から料理人を志していたわけではない岳が、自分の得意な考え方を別の場所で生かしていく。挫折を新しい出発点に変える展開が、この作品の入り口として魅力的でした。
「数学×料理」が面白い理由
数学と料理は遠い分野に見えます。でも、食材や工程を観察し、条件を整理し、狙った味へ近づけるという過程には、共通する思考があります。岳が料理に向き合う場面では、感覚だけでは説明しきれないおいしさを、別の角度から考える楽しさが伝わってきます。
もちろん、料理の答えが計算だけで決まるわけではありません。理屈を武器にする岳が、人の感性や経験が詰まった厨房で何を学ぶのか。そのずれや発見が、単なる「変わった設定」で終わらない読み応えにつながっています。
岳と海、違う才能がぶつかる
真面目に考え抜く岳と、人を圧倒する勢いで料理の世界へ引き込む海。二人の温度差が物語を動かします。海に振り回される岳を見ながら、「その発想が一皿になるのか」と驚く瞬間が何度もありました。
この作品はおいしそうな料理を眺めるだけでなく、才能をどう使い、誰と一緒に伸ばしていくのかを追う面白さもあります。岳の成長を見守りたくなるのは、そのためかもしれません。
ドラマから入った人にもおすすめ
『フェルマーの料理』は2023年にTBSで実写ドラマ化されました。ドラマで岳と海を知った人も、原作漫画では小林有吾さんの絵とコマ運びによって、二人の発想や料理に向かう熱量を違う形で楽しめます。
数学が得意でなくても大丈夫。「なぜこの一皿になるのだろう」と岳と一緒に考えながら読める、知的好奇心をくすぐる料理漫画です。
原作の情報は講談社の作品ページ、ドラマの情報はTBS公式サイトで確認できます。
※アイキャッチは作品の「数学×料理」をイメージしたオリジナル画像です。漫画やドラマの画像ではありません。
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