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『キングダム 完全版』1巻を読み直す|大判の迫力と原泰久さんの全話解説

『キングダム』の序盤を、もう一度じっくり読みたくなる一冊です。2024年3月に発売された『キングダム 完全版』1巻には、通常版コミックスの1〜2巻を収録。物語自体は同じでも、大きな紙面と原泰久さんの全話解説によって、信と漂の出発点が少し違って見えました。

※以下、序盤の展開に触れます。

完全版1巻は通常版と何が違う?

完全版はA5判のハードカバー。通常版より大きな紙面に白い上質紙を使い、細かな線や表情まで追いやすくなっています。見返しやしおり紐のある装丁も、手元に置いて読み返したくなる雰囲気です。

週刊ヤングジャンプ掲載時のカラー扉を再現し、コミックス未収録のカットも掲載。さらに各話には原さんの解説が付き、1巻には連載開始までを振り返る前書き「キングダム前史」も収められています。単にページを大きくした版ではなく、作品の始まりを味わい直せる作りです。

信と漂の出発点を、大きな紙面で読み直す

信と漂が剣を打ち合う場面から始まり、漂との別れ、政との出会い、追っ手との戦いへ。後の大きな物語を知っているからこそ、二人が語る夢や信のまっすぐな勢いが胸に残りました。

特に動きのある場面は、A5サイズで読むと視線を運ぶ楽しさが増します。人物の表情も見やすく、以前は先を急いで通り過ぎたコマで立ち止まることがありました。河了貂との出会いから山界へ向かう流れまで、序盤の熱量をあらためて感じられます。

原泰久さんの全話解説が、再読を深くする

私が完全版で特に楽しめたのは、各話の後に読める原さんの解説です。完成した物語だけを読んでいると、登場人物や展開は最初から決まっていたように思えます。でも、執筆時の考えや試行錯誤を知ると、同じ話を別の角度から見直せます。

ムタのような登場人物についても、制作の背景を知れるのが面白いところ。解説を読んでからもう一度本編に戻ると、キャラクターの役割や場面の見せ方にも目が向きました。

どんな人におすすめ?

通常版1〜2巻を持っている人にとって、物語の続きが読める本ではありません。それでも、紙面の迫力、カラー扉、全話解説を楽しみたい人には魅力があります。久しぶりに最初から読み返したいファンにも、これから『キングダム』を読み始める人にも、よい入口だと思います。

なお、集英社が刊行した『キングダム 完全版』は全20巻で、通常版コミックス1〜40巻分を収録するシリーズです。1巻の仕様と収録内容は集英社の公式ページで確認できます。

※アイキャッチは完全版で物語を読み直す時間をイメージしたオリジナル画像です。実際の表紙や漫画のコマではありません。

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