舞台は太平洋戦争時の日本。
駆逐艦と呼ばれる多様な作戦に携われるように装備された艦隊に乗り込む、戦闘員の食事を作るメシ炊き兵(烹炊兵)の話です。
主人公の湊谷賀津夫は搭乗していた航空母艦が撃沈され、海上で漂流していたところを駆逐艦の幸風に助けられます。それをきっかけに幸風のメシ炊き兵として任務することが命じられます。
賀津夫は配属された幸風に不満とまでは言いませんが、やり甲斐を見い出せずモヤモヤしていましたが、上官から『お前には見えないのか?俺たちが作った飯を食う兵たちの顔が』と問いかけられ、自分を見つめ直すことになります。
その結果、俺はやっていけるという自信を得て前に進んでけそうな感覚を得て話が進んでいくことになります。
駆逐艦の仕事として、パイロットが訓練中に失敗して海に墜落した時に、そのパイロットを助け出して、復帰するまでのフォローをするというのもあります。
そのパイロットを救助する仕事のことを通称『トンボ釣り』といい、釣り上げたパイロットにオムライスを作るシーンが1巻の見所の1つになっています。
訓練中に失敗した初心者パイロットはトンボ釣りをされた後に自己嫌悪に陥ってしまうケースがあり、繊細なフォローが必要ということで、パイロット経験のある賀津夫がオムライスを提供する役割を託されます。
落ち込んでいる訓練兵に提供する前にグリンピースの数を調整するという心遣いをし、訓練兵を励ますというエピソードがあります。食事というものを通して、人の人生を支えることが出来るということ、少しの気遣いが相手にとって大きな励ましになることに気付かされます。
詳細なレシピの紹介もあり、ストーリーと合わせて楽しめる作品です。
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