舞台はアメリカのウォール・ストリートにある投資銀行。
とんでもない負債になるリスクがある資産を抱えていることにある人物が気付き、その事実が社内で明らかになった時に、その会社の社員たちがどのように考え、行動するのかを描いた映画。『ある投資銀行』と書きましたが、モデルになっているのは、リーマン・ブラザーズで、リーマン・ショックという全世界を巻き込んだ金融危機をを引き起こした、一連を描いた作品です。
MBSと呼ばれる不動産担保証券をハイレバレッジで保有しており、会社の資産が25%下落すると時価総額を超えるお金が吹っ飛んで倒産してしまうという危機であることに気がついた人物がおり、そこからストーリーが展開をしていきます。いわゆるサブプライムローンと呼ばれるもので、簡単に言うと、支払能力が低く信用度の不足している人たちに住宅ローンを組めるようにした金融商品で、金利が高く、審査が緩く設定されているので、普通に考えると成立しないような商品を売りまくっていたことで全世界を不況に陥れた形です。
そのサブプライムローンを背景に不動産ブームが起きており、いわば不動産バブルを引き起こしていた元凶で、そのことに、リスク管理の部門で働いていた社員が気付き、会社が明日にでも吹っ飛ぶぐらいのリスクを抱えていることが明らかになり、そんな中で会社の重役の下した意思決定は、顧客や市場に気が付かれる前に売り抜けてしまうということでした。
ハイエナのように犠牲を厭わず生き抜こうとしているものと、ポリシーに反すると抵抗するもの。力なく状況に従うしかないもの。そんな彼らの激動の1日を描いた作品がマージン・コールです。実話がモデルになっている話であり、まだ十数年前の出来事であるため、リアリティーを感じながら楽しめる映画となっています。
この記事を書いているタイミングでは、Amazonのプライムビデオで視聴できるので、興味がある方はぜひ観てみてください。
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