神戸・元町の街歩きの途中、石垣に囲まれた小さな公園に出会います。ここが花隈城の名を伝える花隈公園です。ビルや商店が並ぶ今の風景からは想像しにくいものの、この一帯は戦国時代に城が置かれた場所でした。
ただし、公園に見える石垣を「戦国時代から残る花隈城の石垣」と思って眺めると、少し違います。現地で見られるものと、発掘調査で分かったことを分けながら、花隈城を振り返ってみます。
花隈城はどんな城だった?
花隈城は、織田信長の命を受けた荒木村重が築いたと伝わる城です。ただ、築城の経緯には別の説もあり、築いた人物や時期を断定できるわけではありません。神戸市の資料では、村重による築城説が有力と紹介されています。
村重が信長に反旗を翻すと、花隈城も戦いの舞台になりました。天正8年(1580年)に攻め落とされ、城として使われた期間は長くありません。いまの市街地の下に、織田信長と荒木村重の対立に関わる歴史が重なっていると思うと、元町周辺の見え方も少し変わります。
築城や落城の経緯は、神戸市中央区の史跡案内「花隈城跡」でも確認できます。
公園の石垣は、当時のもの?
花隈公園に天守や櫓は残っていません。現在の公園の石垣は、城跡をしのべるように整備されたもので、戦国時代の石垣がそのまま残っているわけではありません。公園自体も、かつての城を正確に復元した場所ではなく、城を記念する場所として見るのがよさそうです。
一方で、「花隈城の痕跡がまったく見つかっていない」という意味でもありません。神戸市教育委員会の発掘調査では、戦国時代のものとみられる石垣の一部が確認されています。ただ、その石垣が城のどの部分に当たるかは明らかになっておらず、城の全体像はまだはっきりしていません。神戸市教育委員会の発掘調査資料を読むと、現地の石垣と地下に残る可能性のある遺構の違いがよく分かります。
花隈公園で楽しみたいこと
公園では、城を思わせる石垣や記念碑を見ながら、この周辺に城があった時代に思いを巡らせられます。いま公園になっている範囲だけが城のすべてだった、と考えず、周囲に広がる街並みも一緒に眺めてみるのがおすすめです。
立派な天守を見学するタイプの城跡ではありません。それでも、いつもの街歩きに歴史の視点が加わるのが花隈城の面白さ。元町へ出かける際に少し足を延ばし、短い時間でも立ち寄ってみたい場所です。
アクセス
- 所在地:兵庫県神戸市中央区花隈町1・花隈公園
- 電車:阪急・神戸高速の花隈駅から近く、神戸市の散策マップでは地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩約5分
- 車:公園の地下に有料の花隈駐車場があります。利用時間などは神戸市の駐車場案内でご確認ください
元町散策の行き帰りに寄りやすい場所です。神戸市交通局の散策マップを参考に、周辺の街歩きと組み合わせるのもよいでしょう。
※アイキャッチ画像は、花隈城跡の歴史をイメージしたイラストです。現地の写真や当時の復元図ではありません。
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